vol.1 京大SPH受験—過去問入手と事前面談編

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本記事ではSPH受験にあたって必要な過去問入手と事前面談についてお話します。

過去問はいつ入手すべき?

過去問は基本的には窓口で原本を借りてコピーという形で入手します。コロナ禍では予約制になっているようなので、医学研究科のサイトで入試情報のページをチェックしてみてください。

過去問は受験を検討し始めたらなるべく早い段階で一度入手することをお勧めします。

京大SPHでは、もちろん完全に同じ問題はでませんが、似たようなトピックが繰り返し出ている分野もあります。

傾向を把握するという意味でも、まず第一にやるべきことは過去問の早期入手です。

事前面談の前に必要なこと

京大SPHでは事前面談が必須になっています。

募集要項にもその旨が書いていますし、願書にも「事前面談を受けたか?」を確認する欄が用意されています。

いつ面談を申し込むべきかについてですが、僕は受験する年の5月に行いました。

基本的にはその年の5月くらいの入試説明会に際して面談を行ったり、予約を取ったりするところが多いようなので、大体この時期になるかと思います。

事前面談で断られるかどうかについては、確実な情報が無いので僕からは何とも言えませんが、実際の面接試験よりもいろいろ聞かれます。

つまり、ここから試験と思って臨むことをお勧めします。

とは言っても、ガチガチに固める必要はありませんが、最低限下記のことは答えられた方がいいかもしれません。

①志望動機
②研究について
③なぜその分野か

①と②は募集要項とともに公開される様式があるので、そちらに記入してみてもいいかもしれません。

①はそのままですが、②については、特に僕のように質的研究を扱おうと思っている場合は、下記の点を意識してください。

(1)In what?(どのような領域のテーマで?)
(2)On what?(その中の何について?)
(3)How?(手法は?)

(1)In what?

これは大テーマと言うと分かりやすいでしょうか。たとえば、「地域における認知症予防について」みたいな感じです。

注意していただきたいのが、大学院受験生はこの"In what?"で留まりがちということです。他の例として下記のようなものが考えられます。僕は医療従事者じゃないので、拙い印象があるかと思いますが、あくまでも雰囲気をつかんでください。

・病院における患者と看護師のスムーズなコミュニケーションについて
・糖尿病の予防について
・持続的な医療制度について

これだけでも一見立派な研究内容に思える…という方は要注意です。試験は相対評価なので、研究内容が具体化されている人ほど有利なはずです。そこで、次の視点を導入します。

(2)On what?

大テーマの中の何について研究したいのかというのがこの問いです。

認知症予防の例で言うと、「地域における認知症予防というテーマで、ゲーミフィケーションがどのような役割を果たすかについて」という感じになります。

ここまで具体化されると、どのような研究をやればいいかが明確になってくるので、事前面談でも面接でも研究に関する質問に答えやすくなります。

逆に、(1)In what?で終わると、質問された時に十分な回答ができない可能性が高いです。

(3)How?

手法については、明確にできなくても構いません。

僕は実際に、「ある程度こういう形にしたいと考えているが、具体的な手法については入学後に学びながら検討したい」ということを事前面談・書類・面接のすべてでハッキリと伝えました。

十分ではない知識や研究の経験が少ない中で手法を限定するのは、倫理面への配慮も含めてむしろ危険とも言えます。

現時点で自分にできることだけでなく、今はできないけど今後できるようになりたいことについても認識し、それをうまく伝えられるような文言を用意しておきましょう。

※量的研究の場合は、クリニカルクエスチョン、できればリサーチクエスチョンやPICO(PECO)を提示できるとかなり理想的かと思います。

質的研究、量的研究のいずれにせよ、特に方法論に関してわからないことや知識が曖昧なところを思い切ってわかったふりをして書かない、話さないことをおすすめします。

③なぜその分野か?

公衆衛生は多くの分野を含んでいます。ある研究について、SPHの中でもいろんな切り口で実践できるはずです。

その上で、なぜその分野を志望するのかというところは、その研究室を志望する強い動機とも言えるので、明確にしておくことをお勧めします。

まとめ

ここまで、過去問入手と事前面談の準備についてお話しました。

実際の面談については、分野や担当される先生によっても内容が大きく異なるはずなので、記事にはしませんが、ぜひ上記を参考にしつつ準備を進めてください。