vol.2 京大SPH願書と面接試験の対策

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ここでは、個別の対策について触れていきます。

まず、面接試験の対策から先にご紹介する理由は、なんだかんだで早めに着手しておいた方が、筆記試験に注力しやすいからです。

願書・面接試験対策として志望動機や研究内容をまとめておく必要がありますが、これらは一度仕上げて後から何度も修正を加えるのがベストです。

というわけで、本記事では京大SPHの願書の特徴と面接試験対策についてお話します。

※本記事で出てくる研究テーマはあくまでも一例であり、実際の研究とは一切の関係がありませんので、ご注意ください。

意外と短い願書

2年制MPHコースに出す書類には、志望動機と研究内容が一枚にまとめられた様式と履歴書が含まれます。

実際に入試情報のページから様式を確認してみてください。意外と書けることが少ないです。

そのため、面接試験対策で仕上げた資料を要約して願書にまとめるのが理想的です。

志望動機の項目

僕はワードであらかじめ面接用資料を作成したので、その際に設けた項目をまずは志望動機のものからご紹介します。

①【導入】
どういったことに興味を持っているかなどを簡潔に。

②【SPH進学を志望する理由】
なぜ大学院進学をしようと思ったのか。仕事やこれまでの活動などと絡めながら。

③【その分野を志望する理由】
なぜ京大SPHの中でその研究室なのか。

全体のボリュームとしては、③>②>①です。僕はワードの初期設定で一枚にまとまるくらいに仕上げました。

研究内容の項目

研究内容については、いろいろとリサーチが必要なので、結構骨が折れます。一気にやろうとせず、地道に仕上げていきましょう!

①【研究タイトル】
研究テーマを簡潔にまとめます。

②【背景】
研究対象やそれが含まれるフィールドの現状をまとめます。

【先行研究・国外】
背景の一部として、その研究について、日本以外でどのような蓄積があるのか、もしくは無いのかを調べてまとめます。

【先行研究・・国内】
その研究の日本での状況をまとめます。

③【研究の目的】
②を踏まえて研究の目的をまとめます。

④【手法】
ここは限定する必要はないので、「大体こんな感じにしたい」というのをまとめておきます。
また、現時点で手法について何が分からないのかなども明記します。たとえば「倫理的配慮」、「比較の仕方」、「介入の仕方」などです。

配分は人それぞれでいいと思いますが、僕は②が一番大きくなりました。

先行研究について

ここで、先行研究について僕が注意したことを解説します。

一番危険なのが、「先行研究が無いから、自分の研究テーマは価値がある」と思い込むことです。先行研究が無い、もしくは少ないのには、例として下記の理由が考えられます。

①現場レベルで解決すべき
②社会的利益に乏しい
③実行不可能
④海外では増えているが日本ではまだ少ない
③最近出てきたフィールドなので全体的に研究の歴史が浅い

このうち、①~③は研究としては不適切になる可能性が高いです。

①は、たとえば「とあるNPOにおける経営課題の解決策」なんかは、研究というよりも現場レベルで考え、実行すべきことですよね。

②は重箱の隅をつつくような研究です。たとえば「Twitterで『を』だけのツイートは1日何回あるか」のようなものです。

③は実現できたら利益があるかもしれないけど、どう考えても不可能なことです。「日本国民全員の歩数と疾病の関連を調査する」といったことが挙げられます。他にも倫理的な問題などが考えられます。

次に、④はたとえばTwitterに関する研究はアメリカを中心にいろんな分野でなされていますが、日本ではまだ豊富とは言えないです。

一方、日本でもTwitterの利用者は多いので、アメリカ(あくまでも一例)と同様の研究を日本でやる価値はあるかもしれません。

ただし、新たな着眼点を思いついたら①~③に戻って検討し直す必要があります。

⑤については、最新のITなど比較的新しい分野に関するものです。

願書にまとめる

資料が作成できたら、それぞれの項目から重要な部分を抽出して願書にまとめましょう。

筆記試験の対策も重要ですが、上記のような面接資料の作成は結構手間が掛かるので、なるべく早めに着手しておくことをお勧めします。

ちなみに僕は上記の対策をして面接に臨んだらかなりスムーズに本番は終わりました。

結構疲れる作業ですが、コツコツ頑張って仕上げてくださいね!