vol.3 京大SPH筆記試験の分野と戦略

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ここでは、京大SPH入試の要とも言える筆記試験対策について解説します。

専門職学位課程では以前、英語の試験が実施されていましたが、現在は外部試験の利用となっているので、筆記試験は専門科目のみです。

2年制MPHの問題は全て論述式で、一般選抜の場合は概ね6題~7題から3題を選びます。社会人特別選抜は2題です。

筆記試験の分野

京大SPHでは他の大学院ではあまり見られない分野の出題もあるため、独自の対策が必要です。

全体の傾向として、「難しい問いかけを簡単な要素に還元する」ということが求められています。

パッと見、難解なことを問うているようでも、よく考えてみると解答の方向性が明確な問題が多いです。

「簡単な要素に還元する」は、言い換えれば「その分野の基礎的なキーワードを使って答える」と言えるので、基本的な用語を丸暗記ではなく、しっかり理解して覚えることが大切です。

僕の知識不足で過去問には「これはどの分野なんだ?」という問題もありましたが、大きく下記のような領域から出題されています。

・医療統計
・疫学
・健康情報学
・研究方法
・地域保健
・医療倫理
・医療倫理
・医療制度
・環境保健
・知的財産
・コミュニケーション

これらに加え、僕が入学した以降は、感染症疫学社会疫学も加わっています。

どの問題がどの分野から出ているのかは、勉強を進めていく中でSPHのホームページの分野紹介と照らし合わせるとわかってきます。

また、これは全然内部の情報ではなく、過去問を見たらわかることですが、毎年全ての分野から出題されているわけではありませんので、解ける分野をなるべく多く確保しておく必要があります。

筆記試験の戦略

僕は一般選抜で上記の分野から3題を解く必要がありましたが、疫学や研究方法に関する問題はほぼ毎年あるものの、他は出題されたりされなかったりなので、まずは大きく下記のように出題を分類しました。

ちなみに「解ける」という表現は「僕としては」なので、受験生一人一人でどの分野がどの群に属するかは変わってきます。

A群…高い確率で解き切れるので、最優先で選択する分野

B群…比較的解き切れるが、A群ほどではない分野

C群…過去問で解けないことが多かった分野

ちなみに、A群は最初からA群だったわけではなく、僕はほとんどが最初はC群の状態だったので、「いかにA群に近付けていくか」という方針で勉強しました。

闇雲に全ての分野をA群に近付けるよりは、自分の得意不得意を把握し、できそうな分野から手を付けていくのがポイントです。

現状のレベルの把握

過去問を入手すれば、概ね下記のように現状の自分のレベルを知ることができます。

レベル0 どれがどの分野かあまりわからない
僕は最初この段階だったので、まずは公衆衛生全体の基礎を押さえることに注力しました。

レベル1 過去問を見てどの分野かわかる
解答は思い浮かばないけど、過去問を見てどの分野から出ているかがほとんど分かる状態です。

レベル2 問題によっては解答の方向性が見えてくる
「大体こんな感じで書けばいいのかな」と思えてくる段階です。

レベル3 得意分野(志望する分野とそれに関連する問題)なら大体解ける
どの先生が作った問題かは公開されていませんが、京大SPHは比較的分かりやすいので、自分の志望する分野または関連する分野なら解けるという段階です。この時点で1~2分野はほぼ確実に解けるようになります(模範解答がないのが心もとないですが…)。

レベル4 得意分野以外の問題でも解答の方向性が見える
レベル3の分野以外でも「こう書くんだろう」という方向性が見える問題がいくつかある状態です。

レベル5 4分野以上で大体解答できる
本番は一般選抜なら3題、特別選抜なら2題ですが、年によってどこから出るかはマチマチなので、4分野以上は解き切れる領域を確保しておいた方が安心です。

「捨てる」よりも…

最初から得意分野の方が多ければ、「この分野は捨てる」という考え方でOKだと思いますが、僕は「できる分野を増やしていく」という方向性で勉強しました。

何といってもやはりまずは過去問を手に入れることが大事ですね。

自分の現状と勉強時間なども考慮して、どの分野を選択するか戦略を立ててください。