Twitterで繋がり、応援していただいた+の方々へ


今日は学位論文に相当する研究の学内発表会があり、僕の発表の日でもありました。これが2年間での最後の正式な仕事です。

友人や家族、学校関連の人たちにはすぐに会ってお礼を言えますが、そうでない方々、特にTwitterで繋がり、応援していただいたり、研究にご協力いただいた+の方々にお礼を言いたくて、この記事を書いています。

だいぶ燃え尽き気味ですが、こういうのはその日に書いた方が脚色されないんで(*'▽')

ありがとうございました

僕はたいてい、具体的な人を思い浮かべながら物事を選び、動いています。

大学院でHIVの研究をし始めたのも、今の指導教員と出会って、そしてある一人の+の知り合いのことを考えながらでした。

でも、Twitterを通して、研究を続けるためのエネルギーになる具体的な「誰か」が増えました。

僕は中高うまく通えなかったり、大学も中退したことがあるので、最初は不安だらけの大学院生活でしたが、みなさんのお陰でそうした不安もいつの間にか忘れ、今日を無事に終えることができました。

本当にありがとうございました。

HIVと僕

僕はTwitterでHIVの研究してると書いておきながら、みなさんご存じの通りHIVのことは全く発信していないです。

僕自身は+ではなく、医療者でもないし、これまでHIVに関する活動などに携わったこともありません。

いわば熱意だけで飛び込んできたような人間です。

その立場で何かを発信しても、誰かを傷つけるかもしれないし、ほかにも薬剤などの情報発信は命に関わることもあるので、ずっと控えています。

その代わりに、僕にしかできない研究を地道にやっていこうと思い、今日までやってきました。

その2年間の仕事が一通り終わって、それでもやはり、みなさんにとって何か有益な情報を提供したり、何かを変えたりする力はないと感じています。

ただ、僕と交流していただいているみなさんは、別に僕にそういった有益な発信を求めてない気もするので、最後に、僕がHIVの当事者の方に対してどう思っているかという、とても個人的なことを書こうと思います。

正直に言うと、「何とも思わない」というのが僕の本音です。

僕は小さいころからいろいろと変わっていたので、その変なところで傷ついたり、逆に誰かを傷つけてしまうことが多かったです。

そんな人生の中で、一つの要素を抜き出して、その要素でその人を塗りつぶしてしまうことがないようにと、自然とそう思いながら生きてきました。

だから+の方に対しても、何か特別視したり、同情したりみたいなことがない…というより、できないという感じです。

みなさんの存在は研究のエネルギーにはなるけど、それは「かわいそうな誰々さんのために世の中をよくしよう!」というような思いではなく、「好きな人を思い浮かべれば頑張れる」システムと同じような感じです。

この病気は、発覚の時はとてもショッキングだけど、それから紆余曲折経ながら少しずつそれまでの生活を取り戻す…だけど、何かの機会で、あるいはちょっと気持ちが落ち込んだ時などに、また重荷を感じる…ということがあるのかなと思います。

恋人ができそうな時や、他の病気で手術が必要になった時、あるいは特になんともないんだけど…な時など、そういったことを感じることは意外と多いと、この2年間で知りました。

そうした重荷を感じた時に、病気がブラックホールみたいに感じられて、取り巻く世界や自分の価値がなんだかとても悪く見えてしまうこともあるかもしれません。

もし、その病気を「特に何とも思わない」と言いながら研究に奮闘している、当事者でも医療者でも活動家でもないクマ好き人間がこの国にいるという事実が、いつかどこかでみなさんの力に少しでもなることがあれば幸いです。

本当にありがとうございました。

これからもよろしくお願いします。